代表です!
後説配膳その④です!
家来の格好で現れた輝虎!
食事を持ってやってきた!
何がいいって、食事を持ってくるだけなのにその緊張感たるや!
時代モノだとどうしても殺陣とかメインになっちゃうのにこのお芝居はここがメイン!
輝虎が持ってきた食事を食うか食わないか、だから。
全然、食べてくれないので、
家来じゃないぜ、輝虎本人だぜ!
って正体をバラす所。
これ、歌舞伎でもやたら時間使います笑
早く脱げよ!ってツッコミ入れたくなるよ。
だからって食べません!
稽古を重ねていくうちにどんどん越路を自分のものにしていく、まつもとのどか。
はじめはこうして!あーして!ってオーダーだったのが稽古終盤では、俺ならここで息継ぎするとか、ここでワザと抑揚抑えるとか、役者同士の作り方になっていった。
そして、蹴り倒しちゃう!
この劇的な瞬間、近松門左衛門ってすごいんだなって思いました。笑
足、痛くないのかなって心配してくれた方、ちゃんと痛かったようで、クッションになるものを足袋の中に仕込んでいます笑
怒り狂う輝虎!
歌舞伎版のかっこよさも伝えたい、でも刀抜いちゃうくらい、とち狂ってる内容も伝えたい、じゃあ両方やろう!ってのが試験管ベビー版のいい所。
現代版の演出は
「河本ヒロトみたいに暴れて」
という不条理なオーダー笑
殺陣とかしないので模擬刀を使ってます。
※良い子のみんなはマネしないでね。
そこにまさかのお勝!
もんざえもーん!って思った。
この為の吃音なのか?この展開はヤバいよね。
刀を抜いてしまったら、輝虎は斬らざるを得ない。
吃りながら必死で訴えるお勝。
正直、そんなに稽古できないんです。一回のエネルギー消費量が半端ないんで。
で、泣き崩れるお勝
音入れるタイミングも何度も試行錯誤、何よりお勝役、宇野えみりがノッていないと正解が出ない。
初オペの工藤あきらに、その辺の感覚は同じ役者としてやって!って伝えたけど、無茶なオーダーですよね。反省してます。
興が醒めた輝虎は去っていく。
越路、お勝も去る
去り際、不器用に頭を下げるお勝
この辺りは演出の持っていき方で分かれるところですが、プランとして主人公が移行していくように作りたかったのです。実綱→輝虎→越路→お勝と。
そして講談師に繋ぐ。
軽妙に解説してくれる講談師がいてこその試験管ベビー版歌舞伎なのです。
講談師の役はかなり役者にとっては難しくて、台本はあるけど本人としても講談師役としても立っていないといけない。そのバランスが大事。
メンバー全員、講談師役がやれるようになってほしい。
さて、長くなっちゃいましたが、いかがでしたか?
「試験管ベビーの輝虎配膳」
お芝居の楽しさがいっぱい詰まった作品に見えたなら、僕らとしては最高です。
すでに再演したい演目です。
何度でも見たいと思ってもらえたら嬉しいです。
それが歌舞伎の良さでもあるので。
舞台美術などに関しては狂言の方の後説でやりましょう!
とりあえずこれにて!
後説山伏に続く!